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建築家はALCが嫌い?

ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)を好きだという建築家に会ったことがありません。嫌いだと言う建築家ならたくさんいます。ソリッドでシャープな仕上りにならないからというのが、ALCを嫌う理由のようです。そんなわけで、建築家の設計する鉄骨造の建物は、たいてい押出成型セメント板か金属板で覆われることになります。

ALCがソリッドやシャープに見えないのは、気泡を含んでいるために密度が低いのと、パネルの角に面が取ってあるため、並べた時の目地が太くなるということが関係しているのでしょう。気泡を含んでいるのは、軽量化のためもありますが、断熱性を良くする意味もあります。ALCの熱伝導率は0.17で、木材(0.12~0.15程度)と比べてもそれほど遜色はありません。木造の場合には、柱と柱の間に断熱材を詰める必要がありますが(充填断熱)、ALCは単独でほぼ同程度の断熱性を確保できるわけです。

ALCは厚さ100mm、幅600mmのパネルで、長さは3.5m程度までつくることができます。取り付けはパネルの上と下を梁に固定するだけですから、途中に下地材は要りません。非常に合理的です。合理的ということは、コストも安いということです。それに材料のコスト自体が安いので、中低層の建物の外壁や、高層建築の間仕切りではよく使われます。ただし意匠性が必要な部分は、タイルやボードを貼って隠してしまうのですが。

普及率からいえば、現代を代表する材料と言っても良いと思います。建築は、それぞれの時代の材料でつくられてきました。石には石にふさわしいデザインがあり、コンクリートにはコンクリートの、木には木のデザインがあるわけです。そういう意味では、ALCにも材料の特性を生かしたデザインがあるはずです。ALCの不幸は、コンクリートの代用品としてしか見られてこなかったことです。本当は鉄筋コンクリート(RC)でつくりたかったのに、仕方なく鉄骨造で外壁をALCにし、RCに見せかけるためにタイルを貼るとか。こうした不当な扱いから材料を解放することも、建築家の使命と言えるのではないでしょうか。

仕上げのことを「化粧」ともいいます。もちろん化粧には化粧の意味がありますが、やはり「素顔」を大事にする必要があります。今ALCの素顔について考えているところです。

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2006年10月04日 09:26に投稿されたエントリーのページです。

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