
「スーパーレッジェーラ」とは、文字通り「超軽量」という意味です。重量は1.7kgしかありません。デザインしたのは、イタリアの建築家ジオ・ポンティ。彼は、ミラノにあるピレリビルの設計者です。
フレームは木材ですが、軽量化するために、最小限の断面を持った最小限の部材で構成されています。いわば無駄をそぎ落とした後で残った形といえます。無駄のないものは美しいという格言が、そこから導き出されるのかもしれません。確かに緊張感のある形態です。しかし一方で、背もたれ部分での部材の屈折や、脚のカーブなど、軽量化のためというだけでは説明のつかない部分も残っています。
これは、機能的な要求を満たすことが、同時に美的な要求を満たすことでありえるのかという問題につながります。答えはもう明らかで、機能だけでは美とはなりえません。しかし、機能を離れた美というものがありえないことを、それは同時に証明してしまいます。この椅子に関する限り、どんな優美なカーブであろうと、軽量化に反するものは美しくはないわけです。
ところで、この椅子において軽量化は機能であり、美の源泉でもあるのですが、なぜ軽量化が必要だったのかという別の問いが浮かび上がります。椅子一脚の1kgの差など、使用する上では何の不都合も生じません。これは、本当は問いかけてはいけない問いだというべきでしょう。問いかけたとたんに、機能主義と呼ばれる美学が崩壊するわけですから。
