迷宮の京都

観光の対象となるものがあるわけではない場所、おそらく地元の人しか通らない狭い道を入っていくと、そこはまるでナポリの旧市街のようだ。
そこに住む人々には、私の姿はおそらく目に入らない。私の目には、彼らの姿は風景と一体化してしまっている。すれ違ったように見えたとしても、属する時空が違うために、何の干渉も起こらない。ここでは私は、エイリアン、それも肉体を持たないエイリアンだ。

同じ場所、同じ時間を共有するためには、何らかの「事件」が起こる必要がある。「事件」といってもいいし、「きっかけ」といってもいい。それまでは、ずっとエイリアンであり続けるしかない。
