自動車を所有していれば、当然ガレージが必要になります。別の敷地で借りることも可能ですが、やはり自分の敷地内にあった方が便利でしょう。屋根付のガレージならば言うことなしです。しかし、自動車は結構場所を取りますし、道路からの出入りがスムーズに出来るかどうかも考慮する必要があります。そうすると敷地の広さにかなり余裕がないと、独立したガレージというのは難しくなってきます。
敷地に余裕がないとき、建物とガレージを一体でつくるという方法があります。敷地の間口が6mの戸建住宅地では、1階をガレージにした3階建て住宅が立ち並ぶ風景がよく見られます。自動車の長さすべてがガレージに収まるのではなく、半分だけ建物の下に収まり、半分は外に出ているというタイプもあります。
ヨーロッパ系の言語では、日本語の2階が1階という呼び方になります。日本語の3階は2階です。日本語の1階は、地面の階という言い方になります。なぜそう呼ばれるのかという正確な理由はわかりませんが、ヨーロッパの歴史的な邸宅の構成には合致しています。つまり日本でいう1階は、当時の乗り物である馬を置いておく場所や倉庫に使われ、人が住むのは日本でいう2階以上の階だったわけです。だから住むという機能が始まる階から、1階、2階と数え始めたのかもしれません。機能の違いは、ファサード(正面のデザイン)にも現れてきます。ル・コルビュジェが設計したサヴォア邸という近代建築の傑作があります。白い箱を柱で宙に浮かせた構成(ピロティー形式)ですが、この住宅も日本語の1階は自動車の寄付きで、住む機能は日本語の2階から始まります。ですからモダニズムの住宅といえども、ある部分では伝統的な構成を引き継いでいると言えるかも知れません。
そう考えると、1階がガレージという構成は、ヨーロッパの伝統には合っているということになります。デザインがどうであれ、和風に見えないのはそのためかも知れません。問題は、それらをどうやって街並みの形成に生かしていくかでしょう。もし機能にふさわしいようなデザイン・コードを与えれば、戸建住宅地の街並みはもっと良くなるはずです。
最後に、間口が狭い建物で1階をガレージにする場合、構造を慎重に検討する必要があります。ガレージの入り口となる面に壁が設けられないため、そのままでは地震の時に問題があります。
