
設計にあたって、3つの条件を設定しました。
1.ソリッドな材料を使う
2.環境負荷の低減
3.ガレージを取り込む
下地を組んでおいて、そこにボード(板)を両側から張るというつくり方が、現在の建築では主流です。外壁も内壁も、中は空洞です。その空洞部分に断熱材を入れたりします。比較的自由な造形ができるというメリットがありますし、建物を軽くできるというメリットもあります。しかし、質感はあくまで表層だけの質感にとどまります。中味は詰まっていないのですから。
ソリッドな材料だけで建築を構成できないだろうかといつも考えています。選んだ材料は、鉄骨とALC(軽量コンクリートパネル)、それにコンクリートです。安価な材料であっても、ソリッドなものには存在感があります。
夏の太陽は高い位置に来ますし、冬の太陽は低い軌道を描きます。ですから適度な庇の出は、夏の日射を遮り、冬には日射を室内に取り入れるという役割を果たします。こうした効果を生かすため、周囲に1m程の庇を巡らせています。また庇があるほうが、雨仕舞の上でも有利です。

1階をガレージにした住宅のプロトタイプを考えてみました。問題は玄関との関係をどうするかです。ガレージの奥にあるのは勝手口で、玄関は左の階段を上がった2階レベルに設けています。玄関をできるだけオープンな形にしたかったので、このようにしています。帰って来て、直接ダイニングの方に行きたい場合には、勝手口から入るのが最短距離になります。しかし住宅プランにおいては、最短距離が常にベストとは限りません。一度階段で玄関まで上り、また屋内の階段でダイニングに下りるというルートをたどることで、空間の変化を体験でき、その住宅がより親密に見えてくるはずです。
内部はスキップフロアのワンルームです。ガレージの上がリビング。階段を下りると、ダイニングキッチンとベッドを置いたコーナーがあります。天井の高さは、リビングで2.5m、他の部分で4.5mあります。道路側から奥の庭側に、視線と風が通るようになっています。
