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狭小住宅はテーマとなり得るか

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 狭小住宅に明確な定義はないのですが、通常は敷地面積が15坪(50平方メートル)以下の住宅を指すようです。一時期、狭小住宅が雑誌等で盛んに取り上げられました。そうした場合には「建築家が設計した」という枕詞が付けられることが多かったように思います。なぜ建築家が狭小住宅を設計するのかについては、いろいろな視点から論じることができますが、現実的な理由から言っても、狭小住宅は建築家が設計するのに適していたからです。

 狭い敷地で、しかも変形の敷地となると、住宅メーカーでは対応できません。標準設計を当てはめることができず、規格の部品も使えなくなるので、採算が合わないからです。工務店はといえば、専門は施工することです。図面があれば施工はできますが、ひとつひとつ異なる敷地に合わせて図面を描かなければならない場合には、専属の設計者を置いている場合以外は不可能でしょう。そこで建築家の出番ということになります。

 何よりも、建築家は面積を操作するプロです。生活動作に必要な面積を最適に配分することは、もっとも得意とすることです。もちろん効率よく面積を配分するとしても、限度というのはありますが、それでも少ない面積で快適な生活を実現するというのは、挑戦し甲斐のあるテーマです。

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 実は、狭小住宅と建築家との関わりは今に始まったことではなくて、1950年代にブームがありました。その頃の住宅は、現在狭小住宅と呼ばれるものよりもさらに狭いのですが、機能を絞ることや、構造上の工夫によって、十分な居住空間を実現しています。それらからは、清々しい印象すら受けます。予算の制約というのはいつの時代も付きまとうものですが、この時代においては、欲しいものを我慢するというのではなく、本当に必要なものだけを取捨選択していく動機にしているようにも見えます。

 そう考えたとき、現在にあっても、狭小住宅は住宅の原点を考える契機になり得るとも言えます。しかし現実には、現在の狭小住宅は単なるダウンサイジングになっている場合が多いようです。つまりもっと広い住宅で採用されるプランニングの考え方を、そのまま縮小して当てはめるやり方です。これでは狭小住宅に積極的な意味は見出せないということになります。狭小住宅がテーマとなり得るためには、ライフスタイルにまで踏み込むような議論が必要になってきます。

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 それと、限られた面積の中での帳尻合わせはできたとしても、それは個別解に過ぎません。もちろん建築は一品生産であり、それぞれの敷地、それぞれの建築主に合わせる必要があります。しかし同時に、建築は一般解でなければならないのです。狭小住宅が建築家にとってテーマとなり得るかどうかは、その時代の技術、その時代の思想が、形式にまで昇華されているどうかにかかっているのです。

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 狭小敷地ということで、間口が4m、奥行きが15mの敷地を想定しています。敷地面積は60平方メートル(18坪)です。自動車のガレージを設ける場合は、4mという間口はほぼ限度だと思います。

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 床面積は、1階と2階を合わせて44.4平方メートル(13.4坪)です。この床面積は、初期の公団住宅とほぼ同じです。道路に面してガレージがあり、ドアを開けて中庭にでます。中庭から居住部分に入るようになっています。将来増築が必要になった場合、中庭や中庭の上部を利用することができます。

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 こうした構成の場合、奥にいくほどプライバシーの濃度が高くなるのですが、街並みにたいしては閉鎖的になります。そこで2階の高さで、道路から奥の居住部分まで通路(バルコニー)を設けています。いわば町家の通り庭の翻案です。ガレージ上部に部屋を増築した場合、この通路が廊下として機能することになります。

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2008年10月26日 17:48に投稿されたエントリーのページです。

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