京都国立近代美術館にて。2011年7月20日から9月4日。

「ライト・スペース・モデュレータ」という作品。
スイッチを入れると、金属を組み合わせた物体は動き出す。片側から当たった電球の光が、壁面に物体の影を映し出す。影は物体の動きを反映して、回転したり、流れたり、重なったり、揺らめいたりする。
壁面に投影された影だけに注目してみる。影は何を表現しているのか。もちろん機械仕掛けの物体が作り出す影ではあるけれど、物体の全体像を表すのではなく、そうした全体像を否定しているように見える。主役は、部分化された幾何学的な影の形態なのだ。
物体という対象を持つ点では具象だが、その像が物体の全体像をまったく再構成させないという点では無対象である。逆に言うと、無対象でありながら、物体という根拠を持たざるを得ない。いずれにしても、この作品が、物体と表現との臨界点を示していることは確かである。
